3: レース
第3話
毎朝同じ電車の同じ戸口から乗り、同じ駅で同じ路線へ乗り換え、なんて赤の他人がいるのは珍しくないがこのじいさん、御達者である。ついつい競争して抜きつ抜かれつの大レースを展開してしまうのだ。
乗り換えに当たって真っ先に電車を降り、そこそこな距離を歩いて次の路線である地下鉄のホームへ急ぐのだが、このじいさん、階段を下りるのがやたら早い。トコトコトコーと一気に駆け下りるのだ。自分もそういうテクニックは持ち合わせているが、そこまで急ぐことないので地味に階段を下りる。その時すでにじいさんははるか向こうだ。しかし次に下りたところはコンコース、平坦路ならこっちのものだ。歩幅が二倍ほど違うからぐんぐん差を縮め抜き去る。しかし改札の手前でまた下りの階段が・・・(つづく→)
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