通勤百景

1: 雑踏の歩き方

第1話

雑踏の中、反対方向から歩いてきた人とぶつかりそうになったことが誰にでも有ると思う。そこで私が開発したぶつからない上手な歩き方について伝授しよう。



 先ずなぜぶつかりそうになるか、原因はさまざまだがお互いに目線などで進路を読み合い、裏をかき合った結果失敗するのではなかろうか。そこで雑踏を歩く時はひたすら下を向いて歩くのだ。目線は自分の先方1~2メートル位、ちょうどお金が落ちていないか探しながら歩くような格好だ。こうすると、すれ違う人から見ると「こいつはつま先の向いている方向にしか進まないやつ」ということになり、目線も感じないから読み合う必要ない。皆、自分を避けていってくれるのだ。


 ただし怖いお兄さんとすれ違う場合にはその限りではないと思うので十分注意しよう。2001.3.16

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