第25話 学級通信

定期的に学校から、学級通信とやらというものが配布される

私にとって都合の悪いものは帰り道の線路の草むらに丸めて投げ捨てていた


なんでも知りたがりの母は毎回楽しみにしていたようだ

そして把握していないと気が済まなかった


授業参観のお知らせが書いてあった

もちろん、丸めて捨てた

その頃からか、私も自我が芽生えたのか都合の悪いものは家に帰る前に捨てた



そして、授業参観の日が来た

プリントは捨てていたので来ている訳がないと思ったが、念のため後ろを振り返って見回した

い!い!いるー!な、な、なんでー?


みんな授業参観だと親に良いところをみせようと必死に手を挙げる

あ~、なんでいるんだよ~

そればかり気になり授業など聞いていなっかった


最悪の授業参観が終わり逃げるように家に帰った

母はいつもそのあとのPTAとやらは面倒だからとさっさと帰る


家に帰ると母が言った

『ちょうど、さとしくんのお母さんから一緒に授業参観行きましょう、と言われたから慌てて用意して行ったわよ。教えてくれてよかったわ~。なんで言わなかったの!』

さとしくんとは裏に住む幼馴染でその時は同じクラスだった

『え?いつもプリントはテーブルに置いているよ』私は初めて嘘をついた

『見てない!』

『いつもテーブルの上がぐちゃぐちゃでゴミと間違えて捨てたんじゃないの?』と、しらを切った


そうか・・・

これからは、さとしくんのお母さんにいちいち聞くのかな?


なぜそこまでしての私への執着心があるのか不思議で怖くて仕方なかった


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る