第14話 嘔吐

私はおそらく胃腸炎だったのか3日連続で吐いてしまった


3日目に吐いてしまったときのこと


母が激怒し

『汚ったねえなー!自分で掃除しろよ!』

と雑巾を投げつけられた


私は吐いた自分が悪いと思い掃除をした



それからまた次の日、また吐き気が襲う

やばい、また怒られる


急いで裏庭に走り吐いた

シャベルを持ってきて土をかけて埋めて隠した


そんな日が一週間くらい続いた記憶がある


そらから、吐くという行為はいけないこと、恐怖にしか感じられなかった


私は『絶対に吐かない、吐かない、大丈夫』と自分に暗示をかけ根性で吐くのを我慢するようになった

意外とこのおまじないは効いてそれ以後は吐いた記憶はない


だから、平気で嘔吐する人に嫌悪感を覚えた


弟が吐いても文句も言わず、『大丈夫~?』といい掃除をする母がいる

こいつが本当に場をわきまえないやつであらゆるところでよく吐く

お店、スーパー、ファミレス、電車、バス、ときには人の洋服までも汚した


私はそれがすごく恥ずかしく、汚く、イヤでイヤでたまらなく

弟と一緒に出掛けるのを避けるようになった


今思うことだが、もしも3日も吐いていたら普通なら胃腸炎など疑って病院に連れて行かないだろうかと


今だから思う、あれは心のSOSのサインではなかったのか?


なぜ、それに気づいてくれなかったの?

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