第52話

楓の上司─…副社長とリモート対面してから、彼は私の前で大好きな"専務"の話しをたくさんするようになってしまった。






「─…それで、専務が"俺の秘書はお前だけだ"って言ってくれて─…、」





はいはい、辞表出した時の件ね。もう20回くらい聞きましたよ。その続き、代わりにお話しましょうか?







『うん…楓、今日も副社長愛が強めなのは分かったから…早く朝ごはん食べないと遅れるよ』





ほんと、朝からヤツの話ばかり聞かされる私の身にもなれ、塩顔岩塩万年パシリ小山内 楓。





テレビのニュースを見ながら、楓を視界に入れないようにご飯を食べ始めると─…






「………美羽と一緒に朝ごはんが食べられて、本当に嬉しい。ありがとう、美羽」






なんて、






そんなこと、言わないで。

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