滝谷の声が響いてすぐに、吉野の手はあたしから離れていってしまった

「...なぁ行かねぇ理由って、その女？」

滝谷の問いかけに、顔を上げようとしたあたしに、、

「っは？...分かってんだろ」

ガバッと自分のグレーのカーディガンを、あたしの頭の上から被せる吉野

そのせいで、滝谷の姿を取らえることが出来なくなる

「...陽斗か？」

滝谷の声が少し近くなったような気がして、思わずスカートをギュッと握る

「あぁ...お前に俺が止められんなら、行ってやっても構わねぇけど...どうせそんな気ねぇんだろ？」

話しの内容が全く分からないけど、口調を聞く限り、いつものやり取り...みたいな感じがする

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