第16話

「俺が跡つけてなかったら…今頃お前、あのオヤジにヤラれてたってちゃんと分かってんのか?」





あたしの目を見て、そんな怖いことを言う吉野に、、





堪らず、涙が溢れてくる





っていうか、、





『跡つけるって…?カメラでっ見てたんでしょ?』




泣きながら話しているせいで、うまく言葉が続かない





『吉野はっ!ここの従業員で……




「は?嘘に決まってんだろ。他の部屋で連れとカラオケ来てて、便所行く途中にお前とオヤジがここに入るの見たんだよ。」





一度は部屋に帰ったけど、何となく気がかりで…戻ってきて部屋のチャイムを鳴らしてくれたらしい






吉野の意外な性格に、さらに涙が込み上げてくる




「お前がその不細工な泣き顔晒したところで、汚ねぇ男の性欲止められる訳ねぇだろうがバカ女。」






なんて、そこまで言われてしまうとっ






『…っ』






もう…返す言葉が見つからなかった…

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