第5話

少し離れたところにある、駅の駐輪場ーー





柄の悪そうな高校生たちが、男女問わずウジャウジャ、、





何が楽しいのか、原付のバイクをいじったり、ふざけ合って掴み合いをしたり、人前なのにキスしたりしてる男女がいたり、、





ーーー…この中にマジで彼氏いるの?





っと、知りもしない心菜の彼氏が、どのバカなのかと探している時だった






『……あ…』







一つの輪のグループの中心で、満面の笑みを浮かべる1人の男、、






(…アイツ、笑えるんだ)






「…は?!心菜っ?!っちょ、おまっ何してんだよ!」






ドンッと突然強い力で押し退けられて、ハッと我に返った





すぐ隣に目を向けると、泣きながら何かを伝える心菜と、それを聞いて愛おしそうに頭を撫でる、冬亜と呼ばれる金髪男




「はぁーー、仲直りできたみたい!紗綾ちん、ありがとーー」





梨乃の感謝の言葉を聞いていても、頭の中ではさっきのアイツの笑った顔が離れない





再びアイツに視線を元に戻すと、、




『っえ…な、に、、?』





先程の笑みなど、まるで嘘のように…




冷たくて、汚いものでも見るような、そんな目で。




あたしのことをジィーっと見据えていた

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