第22話

「うわぁあぁっ!ひらりん、どこ行っとったん?!あー…大学か。って…それどころちゃうで!アンタんち、燃えてるっ!!」



──…アンタんち、燃えてる



お隣に住む関西出身の社会人の女性、若菜わかなさんにそんな恐ろしい言葉を告げられた私は…ただただ呆然と自分の部屋を眺めることしか出来なかった。




やっぱり、アロマキャンドルが原因か。



っと肩を落とした私に、若菜さんは更に衝撃の事実を告げた。




「まだ分からんけど…なんや”放火”らしいで?不審な男が火炎瓶みたいなモン窓から投げ入れたの見たって住人がおるらしい」




……なんだって?窓から、火炎瓶?!




「ま、窓ってどこの窓?!ベランダじゃないよね?!」



「っえ…いや、知らんけどっ…割られてたのは玄関側のキッチンの窓やって、」




キッチン?!キッチンの窓から火炎瓶ということは…キッチンから遠く離れた寝室のベッドの上に今もあるであろう私の家宝─…推しのジャケットは健在だということだろうか?!!!

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