「穢らわしい」「水商売の家の子よ」そう言うあんたが一番醜い
小学生の頃可愛がってくれた近所のお姉ちゃんの家に遊びに行ったときお姉ちゃんの母親から実際に言われた言葉
自営業をしていたことを水商売と表現していたらしい
他の人の前で言うのではなく
私と二人きりになるタイミングでぼそぼそいうのがみみっちいなと思った
逆光で歪んだその人の顔は怖くもなくて、思い返してみてもただただちいさくて醜かった
お姉ちゃんはこんな言葉や態度に耐えながら生きてるんだな……と思ってお姉ちゃんの人生を思うと悲しくなったけど
私は傷つきはしなかった
しょうもない難癖だってわかっていたから無言で睨み返した
睨み返したらその人は舌打ちして引っ込んでいった
怯んだり泣いたりしてほしかったんだろうけど
微塵も動揺はなかった
だって態度の端々から、ああ、性格の悪い嫌な人だな……って最初からわかってたから……なんやねんこいつとすら思わなかった
子どもの私の視線にも耐えられないで逃げるくらいなら最初ならそんな事を言うなよと思った
こんなに弱くてみっともない大人も世の中にはいるんだな……と思った
そんな大人に育てられたのに
優しくて私を可愛がってくれるお姉ちゃんの人柄のすごさを思ってお姉ちゃんのことをますます大事に思った
「『短歌の秋』投稿作品」
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