目が覚めて母がどこにもいなかった 綺麗な晴れ模様の日だった


 母が家出をした日のこと

 もう二度と会えないかもしれないと思った日のこと

 たしか9月だった

 それでも天気はすごく良くて

 本当ならお出かけ日和だったはずの一日


「絶対に連れ戻す」と血走った目で言う父に助手席に乗せられて

 心細さで死にそうだった日の昼

 そんなことを言うから出ていってしまったんだよと思った


 結局家の近くで散策していただけで戻ってきてくれましたが

 どうして私を一緒に連れて行ってくれなかったんだろうとかなしい気持ちも少しだけ

 

「『短歌の秋』投稿作品」

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