scene.1

第1話

*******





青空が広がっているすがすがしい朝



…………♫



ヘッドホンでお気に入りの音楽を聴きながら出勤する



今日はいつもより早く駅に着いた




”ピンポーン”



音楽とは違う音がかすかに聞こえる




……??



あ、反応してなかった………



改札が閉まっているのに気付いて引き返す





………ドンッ!!!



「あ、ごめんなさい」



後ろにいた人とぶつかって身体を支えられる




爽やかな香水の香り………



慌てて離れると、スーツ姿の若い男の子が立っていた



あからさまに嫌そうな顔をしていて感じが悪い



でも、よく見るとすごいイケメンだ



背はそんなに高くないけど細身で、顔がめちゃくちゃ整っている




カッコ良いなあ……



そう思って見とれていると、



「邪魔なんだけど、オバさん」



冷たい顔でそう言って違う改札を通って行ってしまった




何あの子……感じ悪っ!!!



カッコ良いなんて思った自分がバカだった



ホームへ行くとちょうど電車が行ってしまう



せっかく良い気分な朝だったのに台無しだ




オバさんか……



さっきの男の子の言葉を思い出して嫌な気分になる



もうアラサーだから仕方ないのかな



でも、そこまで年変わらないよね?



年下の男の子は苦手だ……



結局いつもと同じ電車で会社に向かった

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