第2話

「涼介、早くしないと遅れるわよ」



身支度を済ませて朝ごはんを食べていると、1つ年上のお兄ちゃんが起きてきた



三浦 涼介 (みうら りょうすけ)



背が高くてバレーが上手い自慢のお兄ちゃん



私はそんなお兄ちゃんに憧れて同じ高校に通っている



一般入試、大変だったな……




「そういえば今日の夜、速水さん親子が晩ごはんを食べにくるから」



え……早速ウチに来るの?



私はお母さんの言葉に動揺する



同じ高校に入ることは知っていたけどまだ顔も合わせていない




「アイツ、背が伸びてますますイケメンになったよ」



バレーの特待生だからお兄ちゃんは春休みのうちに何回か会っている



「お母さんもこの前挨拶に来た時びっくりしちゃった」



お母さんも会ったんだ……



春休みのうちに引っ越して来たんだから当たり前か



私はなんとか会うのを避けてきた




「えれなはまだ会ってないのか?」



「昔はあんなに仲が良かったじゃない」



「うん……今日久しぶりに会えるから楽しみだよ」



その場をやり過ごすために思ってもいないことを言う



お母さんやお兄ちゃんに心配かけたくないし……



でも、やっぱり私は翔汰に会いたくない

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