第12話

「ねえ、妊娠した。」


いつも通り、SEXのあと、タブルベットに腰掛けて一服する貴方に私は言った。

「はあ?」

「生みたいんだけど。」

「無理。」


躊躇う様子もなく即答だった。


「どうして?」

「俺に従えないなら、俺の前に現れるな。堕ろせ。」


冷たく言葉だった。



その時、私は初めて貴方の前で泣いた。

独りで何度も何度も泣いてたけど、貴方の前では初めてだった。


そんな私を少しみると貴方は小さく舌打ちをして、上着を掴んで出て行ってしまった。



ねえ、行かないでよ…

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