第118話

その表情に背筋がゾクリとしたのがわかった。


「婚約なんて私は信じてませんから」


「…っ、」


「私の方が社長のこと好きなんです」


「…」


彼女は私の目を真っ直ぐ見つめたまま…


「邪魔者はどっちですか?

その内、わかりますよきっと自分だって」


そう呟いて彼女は去っていった。


私はペタンと床に座り込んでしまった。

彼女の気迫に…負けてしまった。


「ふぇっ…、っ…、」


先程止まったのに涙がまた溢れ出してくる。

何も言い返せなかったことに対する悔し涙なのだろうか。

それさえも分からない程、私のメンタルはズタボロにされてしまった。



彼女は…悪魔だったのだ。



いや…私が本当は悪魔なのかもしれない。

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