第43話

お礼を言って店の外に出ると、


黒塗りの車が停めてあった。


「あ、志弐?お仕事とか…大丈夫なの?」


車に乗る前に志弐に問いかけた。


「今日は久しぶりのオフだから」


「え!?じゃあ、ゆっくり休んだ方が

いいんじゃ…」


「細かいことは気にすんなよ、

俺が紅亜と居たいんだからいいだろ?」


そんなこと言われると、


なにも言えなくなる。


「…よし、別なとこ行くか」


「え?」


志弐は運転席にいる女の人に言う。


「予定変更、歩くから」


「週刊誌に撮られないように気をつけなさい」


そう言って車は発進した。


「志弐どこいくの?」


「俺ん家」


え?家?志弐の家?


「ちょ、!大丈夫なの?」


「何がだよ」


や、だって週刊誌に…


「黙ってついてこい」


有無を言わせないような言葉になにも

言えなくなってしまった。

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