第9話

若が笑っている、

うん、かっこいいですはい。


え!?笑ってる!?

あの無愛想な若が??


「菫(スミレ)の花言葉は、

謙虚、誠実、小さな幸せ だ。」


「小さな幸せ 、か 」


女は悲しそうに少し俯いた 。


「どうした ?」


「いえ!花言葉をご存知なんですね!」


若は女の顔を覗き込むようにみている。


あーあ、パーソナルスペースに入ってるよー。


嫌われちゃうよー、


「あぁ、菫か、お前にピッタリだな、

名は?」


「リカです、」


若は不服そうな顔をする。


きっと源氏名だから。


「本当の名は?」


「あ、お客様にお教えしてはいけない決まりなので…」


若は、支配人をギロリと睨む。

あー、支配人さんごめんなさい。


どうか石にならないで下さいね。

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