入隊試験②

ーー神工騎士ビルド・ナイト

それは、怪獣討伐組織「CRATZクラッツ」の操る巨大な人型戦闘ロボット。

神工衣服ビルド・スーツと呼ばれる操縦用の衣服を着用する事で思考を通してその動きを伝えて操縦し怪獣と戦う。


(すげえ、歩けって思えば歩けるし、右手を上げればロボの方の右手も上がった!)


神工騎士ビルド・ナイトの性能は分かった。


あとは・・・


『それでは最終試験を開始します。受験者の皆さんは各自支給された神工騎士ビルド・ナイトに乗ってそのままこちらへ来てください、』


神工騎士ビルド・ナイトには色んなデザインの見た目が存在するが、試験用の神工騎士ビルド・ナイトはまるで禿げ頭の如く頭がつるっつるのまん丸で、目はサングラスのような感じ。

口はマスクをしているかの如く隠しているようにも見える…。

そんなデザインだった。


俺と他の受験者達はさっそく神工騎士ビルド・ナイトで試験会場へ歩いて行った。


心がそそるぜ・・・。

歩いているだけなのに、神工騎士ビルド・ナイトを動かしているなんて・・・。


ここが会場かって?

何だあれは!?




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆






目の前には何故か怪獣がたくさんいた。

何なんだあれは!?

何でCRATZの試験会場に怪獣が!?



『これから皆さんにはあちらにいる怪獣達と戦ったいただきます』


「はあ!」


「ふざけんな!」



他の受験者達と同意見だ!

いきなり怪獣相手って…。


すると、近くにいた試験官の男がみんなに言ってきた。


「ご安心くださいここにいる怪獣達は、我々が調教した試験用の怪獣です。ある程度は皆様に危害を加えないようにしつけてありますので皆さんは安心して試験に挑んでください。」


「は?」


何言っているんだ?

戦闘の訓練だろ?

なのに、ある程度危害を加えないって?

逆に俺は怪しく感じた。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





3…2…1…0!


カウントダウンの宣言と共に最終試験の開始が伝えられた。


とにかくやってやる!


俺は手当たり次第に自分が乗っている神工騎士ビルド・ナイトを操って怪獣に攻撃しまくった。


試験官の言った通り、本当に手応えがねえ…。


やっぱり試験だからか?


でも、こんなんで本当の怪獣相手に戦えるのか!?


そんな考えが俺の頭に過る中、その事をすっかり白紙にするかのような、事態が発生した。



「な、なんだ!?」


いきなり1体の怪獣が他の怪獣とは明らかに違うように暴走を始めやがった。


なんだあれは!?


他の受験者が危ない!


そう思った俺はとっさに襲われそうになった受験者を助けた。


『大丈夫か?』


『あ、ありがとうございます!』


泣きながら俺に感謝したそいつはその場を後にした。


すると、試験終了の時間が来た。






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




ーー試験から一週間後。




試験はやるだけやった。

自分でもよく頑張ったと思っている。

だが、やはり無理かな?

俺みたいなおっさんがCRATZなんて…。


「やっぱり若い奴の方が…。」


そのとき突然スマホにメールが来た。


開いてみると驚いた。


◇ーーーーーーーーーーー◇


     通知書



ヒビキ・ミナト様


この度は試験にご参加

ありがとうございました。


今回の件については

あなたを合格とします。


つきましては後日…



◇ーーーーーーーーーーー◇



え?


嘘だろ!


夢でも見ているみたいだった。


俺は、CRATZに合格したんだ!


「やったぜ!」


ついに始まるんだ!


憧れのCRATZの日々が!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る