球技大会の時期が来た?

球技大会が再来週からあるらしい。今は六月だ。こういうのは九月とかにするのではないのか。とチーム分けを決める時間で暇があったで、適当に考えていた。

「なんでこの時期に?」

「スポーツで親睦を深めようってことらしい」

「へぇ〜」

「興味無さすぎ。侑もっとやる気出して!」

「本番までには出すよ。大体種目は何よ?」

「女子はバスケで、男子はハンドボールらしい、終礼の時にあまみんが言ってよ。さては聞いてなかったな。」

 確かに言ってた気がする。その時お弁当のことしか考えてなかったなぁ。

「体育でやってる種目で、良かった、て思ったんだった」

「本当にしっかりしてよ、キャラ的に私がやるほうじゃん」

「ごめん。ごめん」

 と、葵とじゃれ合ってるとチームが決まっていた。

 得意な人と苦手な人を均等に割り振ったという印象だった。



「侑、練習しよ」

 と、休日の朝から呼び出された。眠たい中なんとか指定された公園に着いた。

「よく来たな、侑よ」

「おはよ、葵」

「侑なんか、貫禄?みたいなのあるね」

「そう?いつもといつも一緒だよ思うけど」

 家にあったジャージを来てきただけなのだが。

「部活してた?」

「……」

「答えてよ〜」

「…………バスケ」

 嫌な思いが、思い出したく無いものが、一緒に溢れ出てくる。

「道理で動きがうまいわけだ」

「……そう」

「とりま、練習しよっか」

 葵と体育でやってるようにいつものアップを始めた。

 葵は、やっぱり上手い。運動神経がいいとも言える。

 バスケをしていると、負の感情が、たくさん押し寄せてくる。顔に出てたのか葵が聞いてきた

「侑は、バスケが嫌い?」

「……」

「……」

「……バスケが嫌いかもしれないし、バスケをしてる自分が嫌いなのかもしれない」

 少しだけ自分のことを、葵に言えた。

「……そうなんだ」

「……」

「なんで嫌いなの?」

 答えたいのに、怖くて出来ない。

「お昼ご飯にしない?」

「……わかった」



「おにぎり作ったんだ」

 葵は、さっきまでの態度が、嘘のように変わった。

「中身なに〜?」

「梅干しと、昆布、出汁のおにぎり」

「出汁のおにぎり?」

「鰹のお出汁がきいてて、美味しいよ」

 私が、一時何もしたくない時期があり、その時に美味しいと思った組み合わせなのだ。

「食べ終わったら、帰ろか?」

「そうする。汗思ったよりすごいし」

「家寄る?」

「そうさせてもらう」

 また葵に、甘えている。いつになったら葵に、自分のことを言えるのだろうか。

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