今日の運勢は何位でしょう?
「おはよー」
「おはよ」
「しっかし朝から元気だね、葵は」
「何故なら今日の運勢はNO.1たからさ」
「ほぇ〜」
「なので今日の晩御飯は生姜焼きでおねしゃす」
(あぁ生姜焼きがラッキー料理とかなんだろうな)
「分かった」
チャイムが鳴り、授業のことに意識を向けるとふと思ったことがあった。
「ところで葵は一時間目の漢字の小テスト行けるの?」
「え!今日あるんだっけ!?」
「バッチリと」
「朝から駄目だな本当に1位なんだろうか?」
「いいことばかりは続かないってことじゃない?」
「そうかな?とりあえず今から頑張るぞ!」
「一緒に帰ろ」
「良いけど、スーパー寄るよ?」
「らじゃー」
「いやー漢字テスト何とかなって良かった」
「葵のことだがら次も忘れると思う」
「ひっど」
お!キャベツが安い、今日の付け合せにしようかな。カゴがさっきより重たい気がし、見るとかごの中にカップ麺が大量に入ってる。これをしただろう人物に抗議する。
「ちょっと、葵こんなに要らない」
「いるよ」
「多すぎる。もう少し減らして」
「良いじゃん」
「減らせして」
「嫌だ!」
「……分かったよ、次からは抑えつつでお願いにね」
「かしこま」
葵が駄々をこねるといつも、まぁいいかなみたいな気になってしまう。それにしても本当に分かってるのかいまいち掴めない。
「今日までごめんね、次からは私が払うから」
「いやいいよどうせ私の分も入ってるから」
「良いやここぐらい私も」
葵に奢ってもらうのは、私的にはNoなのだ。
「じゃあ、折半で」
「異議なし」
「ただいま」
「お邪魔します」
「そんな硬くなくてもいいのに、第二の家だと思ってもらって」
「……」
「なんか嫌なの?」
葵は不思議そうに、私の顔を見つめてくる。
「そういうわけじゃないけど、一応礼儀として」
「ハイハイ」
納得していない空気を醸し出していたが、私はそれを無視して、リビングに入った。
「作り始めとくからその間適当になんかしといて」
「はーい、テレビみとこ」
「葵できたよ」
「今行く」
「美味しそー」
葵は出てきた、料理を見て目をキラキラさせていた。
「「 いただきます 」」
「生姜焼きのこの味付け私結構好きかも」
「……それは良かった」
葵に、何故かそう言われるのが無性に嬉しかった。
「ご馳走様でした」
「いやー、今日もありがとうね」
「……ううん」
(私が男だったら間違いなくクリティカルヒットだっただろうな)
女の私でもクリーンヒットですけどね。
「明日もお願い」
「私夕方しか行けないけどいい?」
「えぇー」
私だって葵のために作りたいと思ってはいるが、用事があるので仕方ない。
「文句言うわないでよ、明後日は昼も作るから」
「まー許してやろう」
「なにそれ」
少しの間2人で笑った。
「じゃ帰るね」
「ありがとう、またね〜」
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