第26話

でもけっきょく、女が俺のとこに自分の意思でいた証拠が上がってきたんだ。


誕生日やら、記念日やらであげたものとか、俺がプロポーズしてあげた指輪とか、結婚式場見に行った記録とか。



女は、それから彼氏のとこにも俺のとこにも姿を見せなくなった。



女の元カレになったヤツは、受け入れられなくて俺のせいにしたよ。


毎日毎日、夜仕事から帰るとさ。

あいつが家の前にいるんだ。

いつ手に入れたのかわかんねぇ鍵で俺の家のドア開けて、俺のことひたすら殴って帰る。


浮気相手だったことを、つい最近知ったとはいえ、自覚がある今は抵抗もできなかった。



仕事もリストラされた。

まぁ、、、。

ストーカー騒ぎあったしな。

受け入れられない毎日に、心身医療の方にも通った。


リストラされるのも、当たり前だよな。



家族もさ、もともと優秀な兄には優しかったけど、なんの取り柄もない俺はいないも同然だった。

暴力も罵倒も日常の一部だったしな。


夕飯なんて、出してもらった記憶はもう残ってない。


やっと手に入れたと思ったぬくもりは無くなって、頼れるはずの家族もいない。



ストーカー騒ぎのせいで家族からは完全に絶縁状態。



自業自得、だよなぁ…

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