第26話
でもけっきょく、女が俺のとこに自分の意思でいた証拠が上がってきたんだ。
誕生日やら、記念日やらであげたものとか、俺がプロポーズしてあげた指輪とか、結婚式場見に行った記録とか。
女は、それから彼氏のとこにも俺のとこにも姿を見せなくなった。
女の元カレになったヤツは、受け入れられなくて俺のせいにしたよ。
毎日毎日、夜仕事から帰るとさ。
あいつが家の前にいるんだ。
いつ手に入れたのかわかんねぇ鍵で俺の家のドア開けて、俺のことひたすら殴って帰る。
浮気相手だったことを、つい最近知ったとはいえ、自覚がある今は抵抗もできなかった。
仕事もリストラされた。
まぁ、、、。
ストーカー騒ぎあったしな。
受け入れられない毎日に、心身医療の方にも通った。
リストラされるのも、当たり前だよな。
家族もさ、もともと優秀な兄には優しかったけど、なんの取り柄もない俺はいないも同然だった。
暴力も罵倒も日常の一部だったしな。
夕飯なんて、出してもらった記憶はもう残ってない。
やっと手に入れたと思ったぬくもりは無くなって、頼れるはずの家族もいない。
ストーカー騒ぎのせいで家族からは完全に絶縁状態。
自業自得、だよなぁ…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます