第163話
あぁ…。
ついに幻覚まで見える。
慌てて私を抱き起こそうとした澄人を押しのけて、
死にそうな顔ってかんな感じか?ってくらい血相変えて。
いないとわかっているのに、いつもつい目で探してしまっていた。
そうやってずっと求めていた腕が、
私を抱きとめた。
聞きたかった声が。
触れたかった温もりが。
「(……あー、もう。なんか、…)」
私はさ、
お前がいるだけでよかったはずだったんだ。
でも、それじゃダメだよな。
いつまでたっても頼りっぱなしで。
ごめんな。
もう、大丈夫。
今度こそ、ちゃんと離れるから。
安心しろよ?
だから。
頼むから、そんな苦しそうな顔、しないでくれよ
それにさ…。
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