気球

星るるめ

気球

例えるならば


僕は僕から転がり出た


まだ若くて青い言葉たちを


とても小さくて透明な気球に


毎日ギュッと詰めているような


そんな感じ


静かに燃やし続けている


純粋な憧れだけじゃなく


焦燥や羨望


憎しみや悲しみで


濁った感情だって熱にして


音もなくそっとこの手から


飛び立ってゆく言葉たち


誰も受け取らず


誰にも届かなくとも


僕はその言葉たちが


とてもとても愛しい


けれど


彼らをもっと遠く


愛してくれる誰かの元へと


飛ばしてやれない僕のこと


僕は今日も許してやれない


ごめんね言葉たち


いつの日か必ず


あたたかな場所へ


飛ばしてあげるからね


その日までどうか


僕から消えないでね


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