第25話

「颯?どうしたの?」



そんな時、いつも敏感に俺の感情を汲み取ってくれるのはこいつなんだ。普段は恥ずかしがるくせに、俺の腰に腕を回し懸命に俺の顔を覗き込もうとする。




小さな手が頬に伸びて暖かい体温を感じると簡単に俺の気分は浮上する。結局、百合とならどこでもいいんだ。



「何でもない」



「そっか」



頭を撫で微笑むと、俺の女神も満足そうに微笑んでくれた。そして小さな手を握り、また俺は強く思うんだ。




この手を絶対に離さない‥と。

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