第22話

「……!?」



何が起きたのかがよく分からなくて。


私は、そのまま何も反応できずにいた。



「上司とかじゃなくてさ、男として見てよ」



耳元でそう囁いてきたかと思うと、山下さんはそのまま私の唇にキスをしてきた。



「んっ……」



いきなりのディープキス。


山下さんの舌が、容赦なく私の口内を侵してくる。



「んんっ」



やめて欲しくて離れようとする私の頭をしっかりと押さえ込み。


山下さんの濡れた唇が、角度を変えて何度も重なってくる。



「由佳……」



吐息混じりに名前を呼ばれ。


そのまま、山下さんの右手が服の上から私の左胸に触れてきた。



「やっ……」



体を離そうにも、しっかりと抱きしめられていて逃れられない。


おまけに、ここは裏道になるので人通りが少ない上に街灯も少ない。



要は…助けが来ないかもしれないっていうことで。

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