第18話
「無理して合わせなくて良かったのに。カクテルに替えていいよ?」
そう言って、山下さんはドリンクのメニューを差し出してくれた。
でも、何か勿体ないし……。
「大丈夫ですよ。私も、そろそろ大人の味を覚えていかないと」
もうすぐ二十五歳になるんだし。
社会人なんだから、大翔より大人なんだってとこをそろそろ見せていかないと。
「吉野さんは、そのままのキャラがいいと思うけど?」
「そのまま…ですか?」
「しっかりしてそうで実は子供っぽい、ってトコがいいキャラなんだけど?」
山下さんの言葉を、そのまま褒め言葉としてとっていいものかどうか。
私は、ちょっと迷っていた。
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