第3話
「今日は吉野さんと、新しくできたお店にランチ行くんですよ。主任も一緒に行きますか?」
私の右隣に座る岡田さんは、向かいに座る山下さんの方に体を乗り出して尋ねた。
新入社員の彼女は、すごく気さくな感じで。
すぐに課内のみんなに打ち解けて、すっかり馴染んでしまっていた。
私の2つ下で、山下さんのアシスタント的な仕事をしている。
「行きたいのはやまやまだけど、今日は部長に誘われてるからさ。また今度、良かったら誘ってよ」
残念そうな表情を浮かべ、山下さんは顔の前で手を合わせた。
山下さんとランチする事もそうそう無いから、一緒に行けたらよかったんだけど。
私と岡田さんも、ちょっと残念だった。
「じゃあ、また今度誘いますね」
岡田さんがそう言った時、昼休みを告げるチャイムが鳴り響いた。
うちの会社は、始業時・昼休み・終業時にチャイムが鳴るシステムになっている。
「さっ、じゃあランチ行っておいで」
山下さんのその声で、私と岡田さんは財布を持って席を立った。
軽く手を振る山下さんに頭を下げ、エレベーターへと向かう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます