第13話
「あっちは由佳より年上だし、チャラいからさ。そりゃ、こんなガキなんかといるより楽しいよね?」
拗ねるような口調でわざとそう言うと、再び由佳は首を横に振ろうとする。
困ったような表情を見せる彼女を、もっともっと苛めたくなってしまう。
誰よりも、俺といる時が一番幸せなんだと言わせたくて。
もっと俺を好きだと言って?
もっと幸せそうな顔をして?
もっと…俺を求めて?
由佳の事が好きすぎて、時々苦しくなる。
ずっとそばにいて、俺だけを見ててくれたらといつも願ってしまう。
こんな風に欲望のままに由佳を求めてしまう俺は、やっぱりまだ子供なんだろうか?
俺がもっと大人なら。
こんな風に自分の気持ちを由佳にぶつけたりせずに、彼女を信頼していられるんだろうか?
いくら、もうすぐ小学校を卒業するっていっても。
俺はそんなに急には大人になれないし。
こうやって、言葉と力で追いつめて。
彼女から無理矢理本心を聞く事でしか、安心を得られないんだ。
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