恋するバージンロード

ayane

プロローグ

「もう少しメアリーローズに唇を寄せて」


 プロカメラマンの要望に、私は瞼を閉じて唇を寄せた。


 メアリーローズとラフランス。薄桃色の花色に囲まれ、甘い香りが鼻腔を擽る。


 唇は濡れたように輝き、ほんのりと甘い香りを放つ。


「恋人にキスをねだるように。もっとセクシーに。視線はこちらに向けろ」


 フラッシュが何度も光る。

 ファインダー越しに私を挑発するプロカメラマン。


 彼は本当の私を知らない。


 私はまだキスも知らない……。

 未経験者だということを。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る