第11話 登校(2回目)

「ほんとうにどうした?」

「……」


「どうした?いつものツンデレは」

「うっさい」


「??」

おかしい。いつものツンデレがない。本当にどうした?


「と、とにかく先に行くからね!」

「お、おい!」


もう行ってしまった...もしかしたら、嫌われてしまったのか!!家に帰ってきたら機嫌をとりにいかないと!


「いってきま~す」

そう言って家を出る。


「おはようございます!!」

出てすぐにこいつがいるのかよ...。

「ゲッ」

「『ゲッ』ってなんですか!?可愛い後輩が先輩の家に待っていたんですよ!」

「それはいくらか仲良くなったやつのみだろ!?……誰に聞いた?」

「先輩の友達です!」

「あの野郎〜っ(怒)」

「快く教えてくれました!!」


「うぐぐ(怒)...ハッ、お前のクソ……兄貴は」

「先に行きましたよ?あと、人の兄をクソというのはやめてください」


「ヨッシャ!!!!!!!!!」

よしよし、あとはコイツを撒くだけだな。簡単簡単!!


「私のことを撒こうとしましたね」

「!!……な、なんのことやら?」


「ほらやっぱり」

「ではゴメン!!」

「チョッ、先輩!!」


絶対振り向かない!!

「待ってください!」


なぬ!?意外と早い。

「だって私、陸上部ですから!!」


「チクショウ!!」


女の子に追いかけてもらうなんて、スゴイことしかなさそうなイベントだが、今はガチ勝負担っている。

どちらが早くつくかが勝負になっている。




10分後〜



「「ハアハア」」

「な、なんで逃げるんスカ先輩」

「ハアハア」


「はあ、喋れるのはわかっているんですよ?」

「ギクッ……じゃあな!!」

「まってください!」


「うおっ!?」

「え?」

…………??何が起こった?なんでこいつの上にいるんだ?意味不明!エラーエラー【~err~err】【警告!! 警告!!】


「せ、先輩。離れてくださ…いえ、離れないでください!」

「なんで!?」


コイツも朝から変だな?というか...ちょっと色っぽいな...ハッ、イカンイカン。ここは学校。公共の場(混乱)!


「ここ学校だぞ!見られるじゃねーか!!」

というかもう殺気を感じる!コワイヨハヤクタスケテヨ!

「はいはいそこまで。美鈴、遅刻するよ」

「「ハッ」」


そこにいたのは、女たらし。

「す、すまん」

「いえ、こちらこそ。で、では!」


妹の方は、なんか先に行ってしまった。

「ねえ、柏木くん?」

「ハ、ハイ」


「妹に手を出したら、君の悪い噂を女子に流すよ?」

「もう手を出しませんすみませんでした!!(土下座)」

「はあ、じゃあ行っていいよ」

「ははあ〜」

そう言うと、俺は教室に向かった。




……あいつ、いつも妹のことになると、熱が入るよな?




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