第60話
「返して。それは"黒豹"の人達に作ったものじゃないから」
あたしは立ち上がり、半ば優男を睨みながら言う。
「嘘。じゃあなんでココで落ち込んでるの?」
「あんたには関係ない。返して!」
「どこで食べようかぁ」
「返してっっ!!!!」
優男が歩き出してしまう。お弁当を持ったまま。
どうしよう…。
どうしたら…。
吹けないのに…ホイッスルを握りしめる。
「おいおーい。返してって言ってんじゃんよ、その子」
「「………っっ」」
あたしも優男も第三者の声にビクッと体を震わせた。
この声!!
階段をダルげに上がってきたのは
んげっっ!!!!
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