第63話
「あ、あぁ
起きるの早かったな…」
些か吃りながらも応えたルーカス
まさか、近付いただけでティオナットが起きるとは思わなかったのだ
ティオナットは腕を大きく上げて伸びると、ルーカスの言葉に反応する
その時にティオナットの白く艶かしい肌と、小さく、何故かエロいヘソが見えた
「んんー………く、はぁっ
小さい頃から人の気配で起きる様になってたからな…
部屋に戻るの面倒だろ、今日は泊まればー?」
そう言って、ティオナットは眠い瞳を擦る
そのティオナットとしては何気ない一連の仕種に、ルーカスは密かに生唾を飲んだ
「……あぁ」
「んじゃ、俺お風呂入ってくるから…
先、寝てていーよ」
ティオナットはそう言い残して、フラリとお風呂へと歩いて行った
ルーカスの横を通る時、ティオナットは小さく欠伸を噛み殺していて、とても眠そうだった
ティオナットは寝室を出ると、いつもの寝間着をボックスから取り出してお風呂に入る
とは言っても、こちらもルーカス同様にシャワーで済ませている為、あがるのは早かった
お風呂からあがったティオナットは水分を全て、風と火属性を使って温風で吹き飛ばして寝間着を着る
キッチンでコップ1杯の水を飲むと、いつも通り寝室へ行き、ベッドで寝た
因みに、先にベッドで悶々としていたが、やっと微睡み始めていたルーカスを抱き枕にして、だ
もちろんルーカスは最初びっくりして動けなかったが、離れようと抵抗をしたり、ティオナットを起こそうといたり試みはしたものの、全てがことごとく失敗した
離れようともがくものの、体勢のせいで上手く力が入らずティオナットの腕の中から抜け出せないし、起こそうとティオナットの身体を揺らしたり叩いたりしてみるものの、一向に起きる気配が全くないのだ
ティオナットは、相手から近付かれた時は起きるが、相手を抱き枕にすれば、相手が魔力を練り始めなければなかなか起きない
しかしルーカスは、それを知らないが故にこの後ティオナットが起きるまで、一睡も出来なかった
翌朝、ティオナットの起こし方を聞いたルーカスは、暫くの間放心状態で、ティオナットを困惑させた
まぁ、めんどくさいと直ぐに放置されたのだが
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