第52話
「とりあえず、誰がどの競技に出るか決めるために、委員長!
前出て決めろー
あ、体力に自信がある奴、特にブリクストは沢山の競技に出ろよ」
「異議あり
面倒臭いからヤだ」
ルーカスが委員長へ丸投げした後の1言にティオナットからの異議が上がる
理由がとてもティオナットらしいと言えるだろう
だが、それはクラス全員から華麗にスルーされる
「あ、じゃぁ、ブリクスト君には5個くらい出てもらおっかな」
「ちょっと待て、おい、ふざけんなよ!
俺はそんなに出ねぇからな
しかもなんで俺なんだし」
委員長のふざけた提案にティオナットが吠える
そしてティオナットの疑問に答えてくれたのは、複数の種目参加の元凶であるルーカスだ
「そんなん決まってんだろ
お前の昨日の決闘、あれ見といてお前出さないとかありえ得ねぇから、逆に」
「は?
あれくらい誰だって出来るだろ」
「「「出来ない(ねぇ)よ!!」」」
ティオナットの1言に、ティオナット以外のクラス全員が1つにまとまった
そのティオナットはというと、 「何故だ!!」 という驚愕の表情をしていた
そして、そんなティオナットを無視して競技決めが進む
その結果、ティオナットがさせられる種目は、
クラス対抗リレーと、1000mリレーと、800mリレーと、500mリレーと、騎馬戦と、障害物競走に決まった
クラス対抗リレーは全員参加種目で、ティオナットは第一走者とアンカーを任されている
そして何故か、応援団メンバーの中にもいつの間にか入れられていた
因みに、応援団メンバーはルーカスが前以て選出してきており、その選考基準は生徒達に公表されていないが、顔などの見た目重視で選ばれている
応援合戦は魅せる競技であるため、あからさまに華やかさを重視してきているのだ
応援団のメンバーは、男子8人、女子4人の、計12人だ
ティオナットがその応援団メンバーの中で知っている(顔と名前が一致している)のは、ジェラルドとフレッドだけだった
因みに、他にティオナットがクラスの中で知っているザンとハーパルは応援団に選ばれていなかった
ティオナットの抗議は終始却下され続けたので、今現在ティオナットの機嫌は著しく悪い
ルーカスが優勝の為にご機嫌とりをしているが、ティオナットは思いっきりぶすくれた顔で、そっぽを向いている
例えそれが子供っぽいと思っても、それを口に出してはならない
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