第22話
だから理事長室のある職員棟にいたティオナットとルーカスは教室棟へ向かうため南へと移動している
今は、職員棟から教室棟への渡り廊下にいる
そこでティオナットは立ち止まり誰も付近にいないことを確かめて、防音と不可視の結界を張ってから口を開く
「……… 忌み子だから と、差別したり嫌がったりしないんだね?
……風帝」
その言葉にピタリと歩みが止まり、こちらへ振り返ったルーカスは低い声と濃い魔力でティオナットを威圧してきた
「……テメェ…それ何処で知った?」
普通の学生ならすぐに気絶する様な魔力と迫力だったが、ティオナットはそれを物ともせず涼しい顔で言い放つ
「風帝には以前会ったからね
その魔力と一緒だったし、こんなところでそんなに魔力だだ漏れにしてたらダメですよーっと
別に誰にも口外しないから安心してよ
えーっと、ルーカス先生?」
最後には小首を傾げて言ってみる
ルーカスは顔を顰めて魔力を仕舞うと、また頭を乱暴に掻く
「……お前なんなの…」
ポツリとそんなことを言うルーカスにティオナットは小さく笑ってさぁ? と惚ける
そんなティオナットにまた顔を顰めてため息を大きく吐き出した
「………いいや、ダリィ…
とりあえず誰にも口外しねーならぶっちゃけどーでも良いからな
テメェなら俺のせいで襲われたとしても自力でどうにかしてそうだし」
ちらっとティオナットを見てそう言うルーカス
さすがは風帝 と言ったところだろうか
ティオナットの魔力量とそのコントロールと、筋肉の付き方や身のこなしを見て総合的にそう判断したのだろう
「買い被り過ぎですよー
俺ってただの特待生ですからねー」
そう嘯くとルーカスは大きな舌打ちを打つ
「……とりあえずどーでも良いけど早く行くぞ…
結界解け」
冷静になると、ティオナットの張った結界をコンコンと叩きながら言うルーカス
ティオナットはそれに少しだけ口角を挙げ、結界を解くとルーカスについて1年Sクラスまで行く
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