第23話

その頃、祐くんのお祖母様が帰ってこない祐くんを必死に捜していた。

そして、慌てた様子で大和さんに連絡をしていた。


「颯さん、どうしましょう、祐が帰ってこないの、ごめんなさい」


祐くんのお祖母様は涙ながらに大和さんに謝っていた。


「祐は学校から戻らないんですか」


「そうなの、学校に連絡したんだけど、もう下校したって」


「わかりました、心当たりを捜してみますから、お義母さんは心配しないで、家で待機していて下さい、祐が帰ってきたら連絡ください」


「はい」


私は皆心配していると思い、大和さんにメールを入れた。


『お仕事中すみません、祐くんが私の所に来ています、お祖母様に黙って来てしまったようで、心配していると思いますので、連絡お願いします』


すぐにスマホの着信が鳴った。


「はい」


「凛?、そこに祐いるのか」


「います」


「代わってくれ」


「怒らないであげてください」


「いいから代われ」


私はスマホをスピーカーにした。


「祐だよ」


「お前、お祖母ちゃんに心配かけちゃ駄目っていつも言ってるだろ、どう言うつもりか説明しろ」


「凛ちゃんに会いたかったんだ」


「子供みたいなこと言うな」


はあ?ちょっと祐くん子供ですけど・・・


「パパだって、凛ちゃんに会いたいって思ったら連絡するでしょ?」


彼は黙ってしまった、ちょっと、子供に言いくるめられてどうするの?


「兎に角迎えに行く」


「明日学校休みだから、凛ちゃんの所に泊まるから、パパは来なくていいよ」


私は思わず口を出してしまった。


「大和さん、今日は祐くん預かりますから」


「しかし・・・」


「大丈夫ですよ」


「すまない、よろしく頼む」


そしてスマホは切れた。


「今日は凛ちゃんと一緒に寝てもいい?」


「いいわよ、明日お祖母ちゃんの所へ帰るのよ」


「うん」


祐くんは今晩私のアパートに泊まる事になった。

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