第32話
「だって、婚約者を選んだのは事実でしょ?」
「うん、でもそれは会社のために」
そこまで言いかけて、冬美に大きくため息をつかれた。
わかってるよ、騙されたかもって言いながら、私は理樹さんの言う事を信じてる。
「副社長はどうなの?」
「よくわからない、秘書を辞退したいって言ったら、じゃ、ハウスキーパーを頼みたいって、言うし……」
「素直に亜紀を好きなんじゃないの?」
私は冬美の言葉に驚きを隠せなかった。
まさか、副社長とはビルの前で会ったのがはじめてだし、それからほとんど時間は経っていない。
「好きとか、心配なんだとか言われなかった?」
私は冬美の言葉に頭を巡らせていた。
「そう言えば、僕を好きになってくれって抱きしめられたような」
「やだ、そんな大事な事覚えてないの?」
「だって、理樹さんが東條財閥の御曹司って聞いて、パニックになっていたから」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます