第54話

私は夕食の支度をして峻の帰りを待っていた。


「雫、ただいま」


峻が帰って来た、思ったより表情が笑顔で良かった。


「お帰りなさい、お疲れ様です」


私も目一杯の笑顔で出迎えた。


「チビ助は変わりないか」


「はい」


峻はいつもチビちゃんのことを、気にかけてくれる。

峻はソファに腰を下ろし、私を手招きした。


「雫、こっちへ来い」


「食事の支度がまだ・・・」


そう言いかけた時、峻はソファから立ち上がり、私を抱き寄せた。


「雫、これから何があっても俺に着いて来い、俺はお前を誰にも渡さない、覚悟してくれ」


私の腰をぐっと引き寄せ唇を重ねた。

峻の舌が私の中に入り込んで私の舌に絡ませた。

しばらく息をするのも忘れて、峻のキスを受け入れた。

唇が離れて、私のおでこに自分のおでこをくっつけると、心臓がドキドキして顔が真っ赤になるのを感じた。


「雫は可愛いな、俺のキスで真っ赤になって」


「もう、からかわないでください」


「からかってないよ、俺の本心だ」


峻は私を見つめて、耳元で囁いた。


「俺は雫を抱きたい、どれほど我慢しているかわかるか」


そう言って、私の頬を両手で挟み、チュッとキスをした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る