第17話
「謝らなければいけないのは俺の方だ、自分の気持ちを優先して、雫の気持ちを考えられなかった、契約は続ける」
彼の言葉で気持ちが少し落ち着いた。
「妊娠中は性欲我慢するって聞いたから、雫とキスすると、理性を保つ自信がなくて、ベッドでも敢えて背中向けてた、自分でベッドに一緒に寝る選択肢与えたくせに、情けねえよな」
嫌われてたんじゃないんだ、我慢してたなんて、涙が溢れて止まらなかった。
「雫?大丈夫か」
「私は泣き虫なんです、冴木さんにどんどん惹かれて、急に抱きしめられたり、キスされて戸惑ってたんですけど、ずっとこのまま冴木さんの側に居たいって思うようになって、でもその時のおでこにキスと、ベッドで背中向けられて、嫌われたって思いました」
彼は私の手を握ってくれて、手の甲にキスしてくれた。
良かったあ〜このままずっと一緒に居られるといいな。
「雫、退院したら入籍して結婚指輪買いに行こうな」
「ほんとですか?嬉しい」
彼はニッコリ微笑んで私の手をギュッと握ってくれた。
この時、幸せはずっと続くと思っていた。
しかし、黒い闇がすぐそこまで近づいている事に気づく事は出来なかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます