第2話

「何言ってる、しばらく安静にしてなくちゃ、今度こそ赤ん坊流産するぞ」


私は心臓の鼓動が早くなるのを感じた。

彼は言葉を続けた。


「旦那に連絡しろ、心配してるぞ」


私は小刻みに手が震え、涙が溢れてきた。

チビちゃんにはパパはいない、そのことが責任として重くのしかかってきた。


「どうした?悪りい、きつい事言っちまったか?」


私は首を横に振り下を向いた。


「違うんです、チビちゃんにはパパはいないんです」


彼は不思議そうな顔をして私に尋ねた。


「チビちゃんって赤ん坊のことか?」


私は彼の言葉に頷いた。


「私が考えた呼び名です」


彼はクスッと笑い、私を見つめた。


「チビ助かも」


私もおかしくなりクスッと笑った。


「やっと笑顔になったな、自己紹介まだだったな、俺は冴木コーポレーション社長冴木峻だ」


冴木コーポレーション?確か今急成長している大手の会社だよね。

そこの社長?

私は目を丸くした。


「なんて顔してるんだ、大したことない」


「今急成長している会社じゃないですか?大したことありますよ」


彼は私の言葉に満更でもない表情を見せた。


「ゆっくり身体休めろ、チビ助のために」


私は小刻みに手が震えていた。


「無理です、入院費払えません」


私は声を大にして答えた。

彼は少し考えて私にある提案をした。

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