第72話

我妻は山城組にボコボコにされた時、足の神経が切れて、右足が全く動かない状態だった。


ひとみを助け出せなかった情けない自分と、全く動かない足で、車椅子の生活に


心が折れた。


リハビリもいい加減になった。


「若頭、あなたはこのまま終わる人ではないはずです、ひとみさんが若頭を庇って、助けてくれたんです、きっと、待ってると思いますよ」


いつも我妻を励ましたのは、側近の結城だった。


しかし、我妻の折れた心は中々立ち直れなかった。


そこに山城組の有働が山城との連絡が取れない事と、ひとみの行方がわからないから、探してほしいと必死に訴えて来た。


(ひとみ、俺はバカだったよ、お前を諦められないはずだったのに、

実際に諦めたと同然だったよな)



我妻はどんなことをしても、ひとみを助けると心に誓った。

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