第19話

我妻さんは私の頬を両手で挟み、何度もキスを落とした。


「たった今から、お前は俺だけのものだ、いいか、お前の全てを俺が面倒を見る、

だから、俺に全てを委ねろ、ひとみ」


(えっ、なんでバレたの)


「あのう、なんでわかったんですか」


「タクシーの運転手は組のやつで、後をつけさせた」


「もう、ひどい、我妻さん」


「ひどいのはどっちだ、連絡先も告げず、俺の前から逃げるように去っていこうとしたのはどこの誰かな」


我妻さんは私を引き寄せ抱きしめた。


そして、キスをした。


「もう、俺のここ、我慢の限界だ」


我妻さんは私の手を自分自身に触れさせた。

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