第64話
彼は私の気持ちを理解してくれる優しい人である、この優しさに甘えて、彼とずっと一緒に居たいと思った。
俺は美希に気持ちを確かめたかった。
まだあいつに未練があるのか、好きなのか。
なぜ俺は拒絶されたのか。
美希は「十年前に終わっています」と答えた。
そうじゃない、あいつを今でも好きかどうか聞きたいんだ。
俺は苛立っていた。
あいつが良くて俺はダメなんだ。
美希は理由をゆっくり話し始めた。
俺は黙って美希の話を聞いていた。
身体の相性が悪い、満足出来ないと言われたなんて、そのために臆病になっていたとは、予想を遥かに超えた言葉だった。
俺は美希を抱きしめた、悩んでいたのに、詰め寄り聞き出そうとして、俺はなんてバカなんだ。
そんな事も知らず、嫉妬して、美希の気持ちを疑って、ごめん、美希。
俺は美希を抱きしめ、キスをした。
きっと美希は俺とこうなる為に生まれてきたに違いない。
キスだけで止められない、俺は舌を入れて美希の舌と絡ませた。
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