第40話

「そうだったんですか、全然気づきませんでした」



また彼は話を始めた。




「あの頃俺美希のストーカーだったな」


「えっ」


「どんな人なんだろう?彼氏いるのかな?何に興味あるんだろうと考えていたら、毎日美希のことばかり考えていた。

自販機で飲み物買おうとしたら小銭なくて、ちょうど通りかかった美希が奢ってくれたの覚えてるか」


「すみません、覚えてないです」


「その時結構喋ったけど、記憶にないのか」


「はい」


「偶然を装って何日か喋ったんだ、俺はすげ?楽しくて絶対に結婚するってそん時決めた。俺のことまったく眼中になかったってことか」


「すみません」


「社長になってプロポーズしようと思って、すぐにアメリカに渡米した、一年間必死に勉強した、毎日美希の事考えていたよ」


この時、おぼろげに記憶が蘇って来た。


総務部にいた、すぐに姿見かけなくなった、鏑木くん?


そうか、アメリカに行っていたんだ。


私にプロポーズする為に、社長になるために……

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