第3話 血の継承

### 大河ドラマ『応仁の乱』 第3話 「血の継承」


**プロローグ**


場面は、畠山持国(國村隼)の豪奢な屋敷。文安5年(1448年)、持国は養子に迎えていた弟・持富(井浦新)を廃嫡し、自分の実子である畠山義夏(後の義就)に家督を継がせることを決意する。この決断は、将軍・足利義政(菅田将暉)の支持も得て、持国の政治的権力をさらに強固なものとする狙いがあった。しかし、家中にはこれに反対する勢力も存在し、特に重臣の神保国宗(遠藤憲一)は強く異を唱える。


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**シーン1:家督相続を巡る緊張**


畠山持国の屋敷内。持国とその養子だった持富が対峙する。持富は冷静さを装いながらも、その目には怒りと失望が隠せない。


持富:「兄上、私はこの家のために尽くしてきました。それを、なぜ義夏に家督を譲るというのですか?」


持国は深く息をつき、毅然と答える。


持国:「お前がよくやってくれたことは認める。だが、私には実子がいる。これが家の道理だ。」


その瞬間、場の空気が重く沈む。持富は静かに立ち上がり、去る。


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**シーン2:神保国宗の反乱計画**


屋敷を後にした持富は、神保国宗と密談を交わす。神保は義夏への家督相続に反対し、持富を再び家督に戻すための陰謀を企てていた。


神保:「持国の判断は誤りだ。義夏など、まだ若すぎる。お前こそが正当な後継者だ。」


持富は苦悩しながらも、最終的には神保の策に乗る決断を下す。神保は遊佐氏らと手を組み、持国に対して反乱を起こす計画を練り始める。


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**シーン3:義政と今参局の計略**


一方、将軍足利義政は乳母の今参局(小池栄子)とともに、畠山家の内紛を利用し、細川勝元(役所広司)や山名宗全(松重豊)を牽制しようと考えていた。


今参局:「畠山家の争いを巧みに利用すれば、斯波氏や日野重子(中谷美紀)も動かしやすくなります。」


義政は冷ややかな表情を見せるが、その背後には周到な計算が垣間見える。


義政:「この乱世では、誰もが利己的だ。利用できる者は全て利用する。」


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**シーン4:畠山持国の襲撃と隠居**


享徳3年(1454年)8月、ついに神保国宗らが反旗を翻し、畠山持国の屋敷を襲撃する。持国は混乱の中、屋敷を脱出し、何とか逃亡に成功するが、追い詰められた持国は苦悩の末、ついに隠居を余儀なくされる。


持国:「これが、私の終わりか…」


彼は自分の後継者として義夏を立てたにもかかわらず、家中の反乱により権力の座を奪われたことに深く絶望する。


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**シーン5:弥三郎派の反撃と細川勝元の処罰**


神保国宗らの支持を得た畠山弥三郎(吉岡秀隆)らは持国の屋敷を襲撃し、彼を家督から追放する。一方で、弥三郎を支援した細川勝元と山名宗全の間に亀裂が生じる。勝元は弥三郎を匿い、その家督継承を支持していたが、将軍義政はこれを許さず、勝元の被官の処刑を命じる。


勝元:「この処分は、受け入れざるを得ない。しかし、山名宗全の怒りを抑えるには…」


処刑が実行されたことで、山名宗全は激怒し、義政と勝元に対して敵対的な態度を見せ始める。


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**シーン6:義政と勝元の対立、そして宗全の隠居**


宗全の激怒を受けて、足利義政は宗全討伐を命じるが、細川勝元の嘆願によってこれを撤回。宗全は但馬国に隠居することとなり、表向きは一時的な和平が成立する。しかし、この背後では、さらなる大乱が迫っていた。


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**エピローグ:義就の反撃**


義就(中村倫也)は12月13日に軍勢を率いて上洛し、弥三郎を追い出し、再び家督を継承することに成功する。だが、この勝利は、さらなる争乱の火種となる。足利義政の背後で渦巻く陰謀と、勝元と宗全の対立は、応仁の乱の序章に過ぎないことを予感させる。


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**第3話のタイトル:** 「血の継承」

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