第61話

健司くんは、" blue-black " のファンクラブに入っていて、会報の活動予定ページを見せてくれた。




「ライヴハウスは会員限定で年末するくらいじゃないかな?

あとはホールツアーだよ」




「……そうだよね、人気でちゃったもんね」






NATSUに会いたいのに、テレビや雑誌でしか見れなくて……。



NATSUがいるから、この時代で生きていこうと決めたのに。



自分が、なんでこんな世界の蕎麦屋で働いてるのか、



なんのために生きてるのか、わからなくなってきそうだった。






おばさんはそんなションボリした私を心配して、こんな提案を……



「健司の休みの日に、一緒に東京にでも遊びに行ってきたら?」






やっぱり、優しいひと。

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