第52話

真夏の夜とは思えない、涼しい風が吹く展望台。


そこで、信じてくれているのか分からないNATSUに、現代の話をたくさんした。




「おにゃんこ作った秋元プロデューサーが、また大所帯のアイドルグループ作って、荒稼ぎするんだよ」




「へぇ、楽しみだな」



「忌野清志さんが何年か前に亡くなった」



「マジ?今田大好きだぜ?」



「CDが売れない時代になってるよ」



「なにっ?! 」



……よく笑うNATSU…



もしかしたら、半分は冗談として受け取っているのかも。





「キリがねぇな、未来の話は。そろそろ戻ろうか」




………つかの間の夢の時間の終わり……




「つ、次は、いつ帰ってくる?」



また急に襲いかかる孤独感に胸がつかえそうになって、思わず聞いてしまった。

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