第7話

いつもなら完全にシカトするナンパ男たち。




ふっ……と、一人になった孤独感から目を背けたくなって、

一瞬、表情に隙ができたかもしれない。




「よっしゃ、どこ行く?」



それを見逃さなかったそのチャラい風貌の男は、私の肩を抱いて、夕暮れの街中を歩き出した。




「カラオケ好き?」




ナンパ男はにっこり笑うと、前歯がなくてちょっと可笑しかった。




「……キライではないけど」


「じゃ、入ろーぜ!」



友達とも数回しか行ったことないカラオケに入ることに少し躊躇した。






「好きな歌手とかいないの!?」




「……特に」




___あ




【blue-black】



あのバンドの他の曲を聴いてみたくなった私は、




「カラオケしたらすぐ帰るから」





その男とビル二階にあるカラオケボックスに入ってしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る