第5話

母が亡くなってから、何となく、居場所のない親戚の家で、自分の部屋のある二階に引きこもる毎日。





階段途中から、初七日に集まった親族の声がかすかに聞こえた。



「愛ちゃんまさか進学するの?」



「薫さんの保険金いくらかあったのかしら?」


「あの子、無愛想だし、扱いにくいからなぁ…」





すごくお世話になってるのに、十年間、あまり馴染めなかった親戚たち。





『ここに、居場所はない』




そう感じて、こっそり制服のまま家を出た。

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