#10. White Rabbit

第10話

それでも答えてはくれない 



あおかすんだ記憶…



境界線の向こう側 シロクジチュウ 

     姿もなく 何度も繰り返す 



銀色に輝く月に重ねた 響く声



君の声と さびついた記憶と



にが色に変わってゆく景色



いつまでも探し続け 灰になってもずっと




落葉のように儚く脆く散りゆくトキ

     いま、せめて、見つめさせて



海の向こう 変わってゆく薄紫の世界




肌が触れて 狭まる視界




やがて天が鈍色にびいろに落ちた頃に 思い出す




炎に溶けそうになった日の約束

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る