第246話

「嘘だよ。


 1番は、君。


 それ以外、考えられないな


 エンドピースの魔力でも、

 君の魅了には及ばないよ」




「もう、いつもそうやってからかう〜」





施設は、

ごく一部の人にしか知られていない

特殊な場所であり、

厳重なシステムによって、何人たりとも

立ち入ることすら叶わない。

(※射沙波くんの恋歌 参照)



一般的な高校の敷地内に、

何故 このような施設が?


などと、疑問に思うところはあったが


数億を超える高額な契約を前に、

それ以上考えを深めることは出来なかった。



「ねえ、ノア。

 もし 君さえよかったら

 一緒にならないか?

 

 挙式も海外でさ…」



「えーっ?

 もしかして それって、プロポーズ?


 もう… こんなところで言うなんて

 ムードも何も無いなぁ…


 あなたらしいと言えば、

 あなたらしいんだけどさ…」





ノアは困惑気味の顔をしてはいたが、

2人きりの部屋の中、

理人の肩に頭をこてんと乗せて、

それから、ふふっと微笑んだ。






理人は愛おしさが込み上げ、

ノアの頬に手を当てながら

唇をひとつ、落とした。

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